日本歯科大学メールマガジン

154号(2010/9/30)


目 次
光安メモ

社会保障制度に関するトピックス
社会保障による所得再分配 平成20年は過去最高  厚労省
「医療ツーリズム」推進策に反論 安達中医協委員
存在意義薄れる医系技官  日経メディカル
指導・監査を犯罪捜査と同一視 四病協が抗議
75歳以上「都道府県国保」に異論も 高齢者制度改革会議
混合診療の全面解禁に警告 政策研究大学院大・島崎教授

歯科に関するトピックス
2009年度医療費 歯科のみ減少 中医協総会
歯科医師のイメージは概ね良好 日本私立歯科大学協会
教育に関するトピックス
国立歯学部定員を63名削減 文科省

校友会本部から
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光安メモ             


社会保障制度に関するトピックス

社会保障による所得再分配 平成20年は過去最高  厚労省 9月1日
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000000nmrn-att/2r9852000000pell.pdf

 厚生労働省は平成20年所得再分配調査結果の概要を発表した。
医療・年金などの社会保障は、税とともに所得再分配機能を持つ。
調査は3年に一度行われており、今回で15回目。
 調査結果からは、
(1)ジニ係数の改善度は拡大傾向で、平成20年は過去最高の29.3%
(2)当初所得が低い階級ほど再分配係数が大きい
(3)再分配係数は、高齢者世帯では316.3%
(4)再分配所得が当初所得を上回るのは、世帯主が60歳以上のケース
などが明らかになった。
 ジニ係数とは、「所得の格差を表す指標」で、0から1までの値をとる。
0に近いほど所得格差が小さく、1に近いほど所得格差が大きい。(リンク先参照)
 社会保障や税で所得の再分配をすれば、ジニ係数が小さくなる。
本調査では、ジニ係数が0.5318から再分配後に0.3758となり、所得格差が減少している。
再分配前後のジニ係数改善度は、社会保障による改善度が26.2%だったが、税による改善度は4.7%でしかない。
逆進性を持つ消費税増税はさらに改善度を圧縮する恐れがある。
 


医療ツーリズム」推進策に反論 安達中医協委員 9月4日


中医協委員の安達秀樹・京都府医師会副会長は、大阪市内で「社会保障立国論」をテーマに講演した。
政府が推進している医療ツーリズムについて、混合診療と地域医療崩壊への危惧を表明した。
「タイが14万人を受け入れているが、収益規模は1950億円しかない。成長戦略なら、その10倍必要」として、政策の甘さを指摘。
「医療でのラグジュアリー・ニーズは国内でも大きい。(医療ツーリズム対応をバネに)これに応えると、混合診療解禁につながる」とした。
さらに「地方のマグネットホスピタルから高度技術を持つ医師が医療ツーリズム施設に吸収されてしまう危惧は大きい」として厳しい反対姿勢を強調。
政府が保険外併用療養の範囲拡大を論議していることについては、保険適用への道筋が示されていないとして「政府は患者団体などの主張に弱い」と述べた。 


存在意義薄れる医系技官  日経メディカル 9月6日

http://medical.nikkeibp.co.jp/inc/mem/pub/report/201009/516498.html

2009年、厚生労働省を去った医系技官の数は例年以上に多かった。
背景には、政権交代で政治主導が加速し、医系技官の存在意義が薄れていることがあるようだ。
 厚労省は7月30日付で、医政局長に大谷泰夫大臣官房長を充てる人事を発令。
新聞各紙は、前任の阿曽沼慎司氏(現厚労事務次官)に続き、医政局長に2代続けて医系技官ではなく事務系キャリアが就いたことを報じた。
 医療提供体制や臨床研究の施策をつかさどる医政局の局長ポストは、従来医系技官が独占してきた。
しかし、「人事に聖域があってはならない」などとして、舛添要一前厚労相が09年7月、事務系キャリア初の医政局長に阿曽沼氏を起用。
政治家が幹部人事に関与する先鞭を付けた。
同年9月に就任した長妻昭厚労相も、この"政治主導"の人事を踏襲。
今では政治主導の波は、幹部人事にとどまらず、霞ヶ関全体に押し寄せている。
 医系技官とは、医師免許を持つ技術系行政官のこと。
省内や地方自治体、WHOなどの海外の関連機関で医療や健康に携わるポストを担い、その専門性を生かして医療現場の課題を政策に落とし込む役割を持つ。
病院や自治体から2〜3年の期限付きで派遣される人事交流者を除くと、医系技官の数は約220人に上る。
 しかし最近、省を去る医系技官が目立っている。
09年度に厚労省を退職した医系技官は18人。
例年は12、13人程度だが、09年度はいつになく多かった。
ある現役医系技官は、「幹部から重用されていた中堅の医系技官まで省を去るようになっている」と語る。
 省を最近辞めた元医系技官は、「相次ぐ退職の背景には、政権交代で政治主導が加速していることがあるのでは」と話す。
かつて官僚は、政策立案から政策実行まで、事実上すべてを担っており、政治家は官僚のお膳立てした政策をほぼそのまま了承するのが一般的だった。
ところがここ10年ほどで、官から民、中央から地方へと権限が委譲され、官僚の裁量が縮小した。
 さらに民主党政権下では、政治主導が全面的に打ち出され、マニフェストなどであらかじめ政策の方向性が定められている上、政策決定も政治家が担うことになった。
結果、官僚の役割は、方向が決められた政策を実現するための調整ばかりになった。
 こうした状況は本来あるべき行政の姿ともいえる。
ただ、前出の現役医系技官は、「仕事を任されることが減った上、今はささいな決定事項まで大臣に諮らなければならず、モチベーションが下がっている人もいるようだ」と内情を明かす。
最近では、医系技官抜きに、臨床現場の声を政策立案に直接生かそうという動きまで出てきた。
昨年の新型インフルエンザ流行時には、足立信也厚労大臣政務官が自ら現場の専門家を集め、ワクチンの接種回数について話し合った。
今でこそ、医系技官は臨床研修後に入省するようになったものの、これまでは臨床未経験者もおり、従来の政策立案のやり方では現場の声が反映されにくいといった批判があったためだ。
 前出の元医系技官は「今後、臨床現場が積極的に政策立案にかかわるようになれば、医系技官の役割はますますあいまいになるのではないか」と話す。
 長い労働時間、決して高くない給与、常に世間の批判にさらされる立場など、官僚の仕事は元々楽なものではない。
加えて医系技官の転職のハードルが低いことも、退職の流れを後押ししている。
例えば、40歳前後の医系技官が民間病院の勤務医に転職すると、給与は倍程度に跳ね上がるという。
政治主導のうねりの中、改めて医系技官の存在意義が問われている。


指導・監査を犯罪捜査と同一視 四病協が抗議 9月24日


 日本病院会、全日本病院協会、日本医療法人協会、日本精神科病院協会からなる四病院団体協議会は、厚生労働省の政策コンテスト応募提案に、指導監査に犯罪捜査の手法を活用する提案があったとして「保険医療指導監査に係る厚生労働省の考え方について」と題する声明で抗議した。
声明では、提案内容に対して「犯罪を前提に刑事(犯罪捜査)の考え方や手法を導入するもの」とし、「法の趣旨を逸脱し、かつ、保険医および保険医療機関を容疑者扱いし、愚弄するもの」と断じた。
その上で、この提案が2次選考まで残ったことについて「厚労省の考え方は問題であり、極めて遺憾」とし、「基本的考え方の是正」を要求した。
医療指導監査官の役割については「指導監査のプロであるべきで、犯罪捜査、取り調べのプロである必要はない」とし、指導監査で犯罪が疑われれば、その段階で刑事捜査すべきと主張した。
さらに提案の中で、厚労省が警察官を受け入れれば組織の活性化と職員資質向上につながるとしたことに対しては「本未転倒の論理」と厳しく指摘した。


75歳以上「都道府県国保」に異論も 高齢者制度改革会議 9月27日

http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000000qbvu-att/2r9852000000qc1j.pdf

厚生労働省の高齢者医療制度改革会議(座長:岩村正彦・東京大大学院教授)は中間取りまとめ後の議論を始めた。
厚労省はこの日、中間とりまとめで検討課題としていた都道府県単位の国保で暫定的に運営する対象年齢について「75歳以上」とする案を示したが、委員からは「現行制度と変わらない」など、異論が出た。
中間とりまとめでは「少なくとも75歳以上」は都道府県単位の国保で運営するとしたが、対象年齢を「65歳以上」とする選択肢も残していた。
厚労省は、65〜74歳を直ちに都道府県単位化した場合、65歳未満の者も都道府県単位化した際に保険料の変動があるため、「2度にわたって上下動する混乱」を指摘。
市町村によっては国保の保険料収入が65〜74歳に大きく依存していることも踏まえ、暫定的に「75歳以上」を都道府県単位化し、74歳以下はその後に広域化することを提案した。
これに対し、三上裕司委員(日本医師会常任理事) は「75歳以上で本当によいのか。早急に全年齢で広域化すべき」と主張。
白川修二委員(健保連専務理事)も「75歳以上では現状とあまり変わらない。被用者保険は多額の赤字を抱え、現役世代の高齢者への負担は限界に来ている」と訴えた。
若人を含めた広域化の時期について、「期限を決めて全国一律に行うのが適当」と提案。
これについては同意する意見が多く、「早期に移行すべき」「期限を法案に明示すべき」などの意見が出た。
岩村座長は「限られた時間の中で高齢者を広域化することを前提に考えると、個人的には『75歳以上』が妥当。暫定的な財政調整も現行維持。若人の広域化も期眼を決めるべき」と、厚労省案に賛同した。
中間とりまとめでは、都道府県単位の国保の対象年齢をはじめ14項目について、年末の最終まとめまでの検討課題としている。
今後はそれぞれの項目について順次議論するとともに、10月に開く次回会合で厚労省が新制度での財政影響試算と将来推計を示す。
後期高齢者医療制度を廃止する法案を来年の通常国会に提出し、2013年度から高齢者を都道府県単位の国保で運営する暫定的な新制度をスタートさせる運び。
若人を含めた広域化は、新たな法案が必要。


混合診療の全面解禁に警告 政策研究大学院大・島崎教授 9月27日


政策研究大学院大の島崎謙治教授は医療経済研究機構が「経済成長と医療を考える」をテーマに開催したシンポジウムで、政府が6月18日に閣議決定した「規制・制度改革に係る対処方針」について「『保険外併用療養の範囲拡大』は、実質的に見ると混合診療の全面解禁につながる要素をはらんでいる」と指摘し、関係者はよくその内容をチェックすべきと警告した。
島崎教授は混合診療について、保険外併用療養費制度ですでに一部容認されていると指摘。
「全面的に解禁するか全面的に禁止するか」ではなく、あらためて「管理下での解禁か全面解禁か」という対立軸で議論を進めるべきと整理した。
その上で「全面解禁は医療の一体性を損ねる」と批判。
全面解禁に反対する立場から「客観的に必要十分なものを保障していくべき」との考えを示した。


 


歯科に関するトピックス

2009年度医療費 歯科のみ減少 中医協総会 9月8日
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000000qtmg-att/2r9852000000qtsv.pdf

厚生労働省は中医脇総会で、2009年度医療費の動向を報告した。
総額は前年度比1.2兆円増で過去最大の35.3兆円。
稼働日数補正後の医療費の伸び率は3.6% 増だった。
70歳以上の医療費は15.5兆円で総額の44.0%、75歳以上では12兆円で総額の34.2%を占める。
1人当たり医療費は27万6000円。
70歳未満の16万8000円に対し、70歳以上では77万6000円、75歳以上では88万2000円となっている。
歯科医療費は前年比200億円減の2兆5000億円であり、構成割合は7.2%に低下し、歯科診療所のみでは6.9%となっている。


歯科医師のイメージは概ね良好 日本私立歯科大学協会


日本私立歯科大学協会は、10〜70歳代の約1千名の国民を対象に「歯科診療に関する意識調査」を実施した。
歯科医師に対するイメージは「信頼できる」、「優しい」、「親しみやすい」等、概ね良好な関係が築けていた。
回答者の96.2%は歯科医院への通院経験を有しており、歯科医院との接点がない国民は非常に少なかった。
但し、受診理由を見ると、大半が「むし歯の治療」であり、ペリオに対する意識が依然として希薄である事が明らかとなった。
全国の歯科医師や厚労省、地方自治体等の努力によって「国民の多くは歯周病に罹患している」との認識が浸透してきたが、実際には(ペリオ治療目的での)受診に繋がっていないと推測され、「初期には自覚症状がないため、気付かずに重度に進行」、「定期健診の重要性が改めて問われている」と解説した。
高齢化によって今後の需要拡大が見込まれる訪問歯科についても、「利用経験あり(家族含む)」は1.8%、「訪問歯科と言う名称を聞いた事がある」も37.9%に留まっており、同協会は「超高齢社会における在宅オーラルケアの必要性への認知が薄い」と分析。
歯科業界内には平成24年度の診療報酬・介護報酬の同時改定の際に在宅歯科の整備・拡充を目指す動きが強まっているが、歯科治療の重要性(関連点数項目の新設)をどう国民に認知させていくのかが課題となる。

 

教育に関するトピックス

国立歯学部定員を63名削減 文科省 9月6日

文科省は「平成23年度の大学等の入学定員数」を取りまとめた。
国立大学歯学部の入学定員は実質的に63名減少する。
本年度の定員は625名だったため、約1割の削減。
内訳は、新入学定員が31名減少、2年次の編入が7名減。
3年次が25名減であり、「(全員が留年・退学せず歯科医師国試を受けると)平成27年春の受験者数が25名減」、「28年春は同32名減」、「29年春からは同63名減」となる見込み。
同省は「歯科医療・医学に関する社会的ニーズの変化に従って対応した」と解説、歯科医師数の過剰や歯学部人気の低迷などの認識を示した。 。


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2:日本歯科大学校友会・求人案内の情報を更新いたしました。(2010/9/22)
3:リンクのページに栃木県日本歯科大学校友会ホームページを追加しました(2010/9/6)
4:運営細則・共済部規程・共済実施規程・共済実施規程施行細則・会員殊遇規程・入会金を免除する等の特例・日本国に在留を許可された外国人である本学卒業者が本会に入会しようとする場合の取扱について・会員診療所業務継続互助事業規定の各条文を会員ページ内にアップしました(2010/8/24)
5:求人案内のページを開設いたしました。ぜひご利用ください。(2010/4/28)

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