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 第4回目を迎えた今回は、37回卒業の石井良雄先生をご紹介いたします。日本歯科大学創立100周年記念美術展に於いてその作品をご覧になった方々も多いかと存じますが、昨秋東京都美術館において開催された、第40回新院展に於いて準最優秀文化賞を受賞されました。今回はその石井先生に趣味?と言うには畏れ多いかも知れませんが、仏像彫刻についてお話を戴きました。

石井良雄先生

仏 像 彫 刻


37回卒業 石井良雄

 仏像彫刻のルーツを辿って見ると、お釈迦様は紀元前6世紀にインドのカピラ城の王子として生まれたが、人間は皆共通した悩みを持っている。その悩みを持っている人達をどうしたら救えるかを真剣に考え続け、29歳より6年聞苦行して35歳で悟りを開かれた。 80歳で亡くなるまで45年間人間の正しい生き方を説法し続けたが、その説法を聞けなかった人々が非常に残念がり、最初はシンボルマークを作って拝んでいたが、次第に満足出来なくなり、お釈迦様の像を刻んで礼拝するようになった、これが仏像彫刻の始まりと言われている。

 像を刻むにあたり、お釈迦様の大きな特徴が32相、小さな特徴が80種あると語り継がれている。その中、歯に関する特徴が三つ有ると伝えられているのも興味深いものである。 
歯の特徴の一つにお釈迦様は80歳で亡くなるまで40本あった全部の歯が健全であったとのことだから、8020どころか8040(ハチマルヨンマル)を世界でただー人実現された方ということになる。
 日本の木彫りの歴史は仏像に始まり、仏像に終わると言われているが、幸い日本には木材に恵まれ、運慶・快慶をはじめ立派な仏師が多く輩出し飛鳥時代より盛んになり、白鳳、天平、平安、の各時代に極地に達した。

 日本に始めて仏像が伝来したのは西暦552年の欽明天皇の13年と言われ、百済より経典、僧と共に釈迦如来像が渡ってきた。 
仏教も仏像も日本へ入ると日本民族に合った形になり、伝来当初は大陸的な尊容のものであったが徐々に日本人の理想とする形に消化されてきた。
 私は子供の頃から工作が好きで、中学校(旧制中学校)では工芸部に入り彫刻刀を持って木を削ることに興味を持っていた。 
日本歯科へ入学してからは木を石膏やワツクスに代え歯型彫刻専門になったのは当然のことであった。

 若い時は生活に追われ、仕事に明け暮れの毎日であったが、子供が一人前になり時間に余裕が出来てからは昔に返り、木彫りを始めて現在に至っている。
 今は二人の先生に就いて習っている。最初は地紋彫りで彫刻刀の使い方、木の扱い方を習い、其れが済むと仏手、仏足、お地蔵さんお釈迦様・観音様の仏頭と進んでいった。
 二人の先生とも私にとっては誠によきお師匠さんであり、厳しい先生だが、お二人が全く異なった考え方で仏像に接しておられる。

 一人の先生は「未だ人間で仏様に実際に会った人は誰も居ないのだ、現在目にする仏像は誰かが想像して造ったものである。どんな顔姿でもよい、自分が思った仏様を彫ればよいのだ」と言われる。
 もう一人の先生はお手本を渡し、それと寸分違わぬ物を彫れと言われる。「一にも辛抱、二にも辛抱、で常に『辛抱』と言う字を書いて側に置いて彫りなさい。十年も彫れば何とか仏像らしきものが彫れるだろう」と教えられている。
 私はお二人の先生の良い所、自分に合った所だけを吸収し楽しみながら木と向かい合っていく積もりでいる。

 どちらにしても本格的に始めたのは50歳を過ぎた晩年からで、元々才能が有るわけでもなく、世俗を離れ、無心に仏を彫ることにこの上ない心の安らぎを覚えている。仏像即ち『日本の心』を彫る事で、老後の毎日を充実した生き甲斐のある生活をしたいと念願し刀を握っている。

 




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